|2009-04-26|国宝 阿修羅展 |東京国立博物館・平成館 |
|2009-05-17|中金堂配置図 |NHK・『阿修羅 天平の謎を追う』参照 |
|2009-10-17|お堂で見る阿修羅|NHK・ANN『ニュース』 |
|2010-05-16|興福寺新展示 |NTV・『心の都へスペシャル』 |
|2010-09-19|深紅の阿修羅 |ANB・『都のかほりスペシャル』 |
|2010-12-01|国宝 阿修羅展 |NHK・『ワンダー×ワンダー』他画像 |
|2011-02-16|免震装置 |ANN・『ニュース』 |
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国立博物館正門左側・正面
画面木の間のピンクが阿修羅展の看板で、その左側通路を100m位行くと正面が平成館です
平成館入り口向かって右側
振り返ると…(左手は本館)
➢➢➢➢第1章・興福寺創建と中金堂(ちゅうこんどう)鎮壇具(ちんだんぐ)
壁一面に並んだガラスケースの前は物凄い人だかりで、近づく事すら出来ません。
室内のガラスケースだけ見ましたが、小さくて(10cm位?)精巧な器に驚きました。
水晶も粒が揃い、透き通った美しいものでした。
和同開珎は想像よりも薄く、金箔はちょっとでこぼこしてましたが、輝きは今も失せず、
当時はこの光で仏像も包まれていたのか…と思いました。
仏像=ワビサビみたいな印象ですが、完成当時はキラキラ目映い世界だったんでしょうね。
私は今の方が好きです(笑)
➢➢➢➢第2章・国宝 阿修羅とその世界
…予備知識無しで入ったそこにあったのは、『華原磬(かげんけい)』でした。
「?!……」何という素晴らしい龍…………
龍ばかり凝視し(苦笑)、どんな音がするのか… 低く澄んだ軽やかな音?…などと想像
しながらうっとり。
これと対だったらしき『婆羅門立像(ばらもんりゅうぞう)』は目玉だそうですが、
半分振り上げた右手に槌… これが「修復しました!」というカンジの鮮やかなアイボ
リー(笑)で、顔もシワを彫ってあるだけで、立体感はなし……
正直、私には価値がわかりませんでした(暴言)。
(説明によると、華原磬を叩く為に伴われたそうです。だから槌?!…)
ところが!
…その右隣(華原磬の左隣、つまり中央)にあったのは、『阿弥陀三尊像』。
普通は数メートルの仏像(如来と脇侍)のあの世界を、60cm位(に思えました)の空間に
凝縮し、全体がびっしりと細かい彫金?で覆われ、後背の部分は複雑な透かし彫り。
それなのに醸し出す雰囲気は優しく、真珠の輝きのようなオーラを放っています。
柔和なその表情は見る者を異世界へ誘うようで、ここだけでもう「来て良かった!」と
思いました。
法隆寺より特別展示との事で、これもしばし凝視。
厨子はかなり大きく、幅が1m位、高さが1.5 m位?(台が50cm位?込みで2m位)
でした。
照明が暗く、茶色っぽい地味な印象だったのですが、よーく見ると、扉下の部分(正面)
に5人位天女が、両側はそれぞれ正面方向の横顔の僧侶のような人物が描かれていました。
マンガのようなユーモラスな雰囲気で、インドの彫刻を連想しました。
上部のデザインが厨子らしくないというか、見上げると瓦のように重なっていて、幾何学
的でちょっと他のパーツと不釣り合いなのが印象的でした。
次の展示は教室2クラス位の広さで、左側が阿修羅以外の八部衆、右側が十大弟子です。
高さ50cm位の台で、向かって左手前に解説のプレートが斜めに設置されています。
大体50−60cm位の至近距離から、背面も(頑張って覗くと暗いけど)拝観出来ます。
一見すると同じような鎧も服も履物も、全部デザインが違います。
いかつい表情(が殆ど)なのにウエストは細く(阿修羅は鎧分更に細い)、巻かれた布は
はらりと舞い上がりそうな柔らかさがありました。
微かに残る彩色や文様からすると、かなりハデだったようですが、やっぱりこちらの方が
好きです。
絵や人形などは作者に似るといいますが、これを作った仏師はこういうお顔だったのか…
などと考えつつ、又戻って、十大弟子は遠くから一瞥し(…済みません、地味で違いが
よくわからないので)、いよいよ阿修羅像のコーナーへ。
鳥居風な朱色の4つのワク(奥へ向かって入り口が小さくなる)正面に、現在再建中の
中金堂が見え、右折すると、手前が左に向かって通路で、中2階位から阿修羅像を見下
ろすようなレイアウトになっています。
当然最前列・正面のポジションは取り合い。一旦辿り着いた人(90%位が50代以上・夫婦
率高し)は全然動いてくれません。
右手に見ながら直進し、奥で右折、なだらかなスロープの正面に解説があり、折り返すと
阿修羅像のフロアに到達。
阿修羅像は上部四隅から照らされ、褪色しそうな明るさで色白に見える程でした。
「時計回りにお進み下さい!」の呼びかけなど聞く耳持たずで、大体4周位に固まった
一団は前に進めず、正面をキープした人はこれ又動いてくれません。
若い女性の「阿修羅像が回ればいいのにぃ〜」との声が。振動等でさすがにそれはマズイ
(笑)
ロンドン塔の宝物館みたいに動く歩道(らしい)ってワケにはいかないから、ここは通路
を狭めて一列になるようにし、数分で強制的に入れ替えた方がいいと思いました。
阿修羅像は写真等の印象と全く同じで、画像が3Dになったカンジです。こういう見え方
は初めてで、何だかフシギな気がしました。
とても華奢で、すらりとしたプロポーション。右目だけハイライトが残っています。
正面から見ると、6本の腕は合掌する過程の分解写真のようです。
(戦いの神−振り上げている、仏との出会い−中位、そして話を聞いている…みたいな
時の流れ)
背面から見た左の横顔が特に美しく、一人だけ鎧をまとっていないのはなぜなのか(他の
八部衆のいわゆる普段着(笑)はやっぱりこういう軽装なのか、ポーズの都合で鎧はジャ
マだったのか)、涙ぐんでいるような表情は帰依寸前なのか、合掌しそうでしないのは、
もしかしたら葛藤なのか……などと、色々考えてしまいました。
萩尾望都さんの阿修羅は美少女でしたが、髭を気にしなければこの阿修羅像も美少女に
見えなくもありません。キュロット風かと思ったら巻きスカートでアクセサリーもオシャ
レだし、足下はサンダル風の履物と、コーディネイトもバランスも完璧。
2m弱位離れていたとはいえ、ガラスケース越しではなく、ぐるりと拝観出来て良かった
です。
➢➢➢➢第3章・中金堂再建と仏像
運慶の父、康慶(こうけい)作の四天王…
飛鳥・奈良時代と鎌倉時代の仏像が特に好きなので、こちらも拝観出来るなんて何て贅沢
!と思いながら会場へ入りました。
運慶と比べるとポーズがぎこちなく、ちょっと堅い印象ですが、躍動感とボリュームが
あり、生き生きとした表情、八部衆よりも大きく、重そうな鎧や細部まで凝った見事な
デザイン、170cm 位=成人男性と同じ位で、よりリアルに感じられました。
照明がほぼ正面だけで、背後や頭上が暗かったのが残念です。
多聞天の左手に持つ矛?の飾りが、空調のせいかふらふらと揺れていました。
薬王菩薩と薬上菩薩は兄弟だそうです。
腕輪の飾りの先端に鈴が見え、対称的なポーズを取っています。
高さが360cm 強もあり、比較的金箔が残っているせいか、他の仏像よりキラキラと輝いて
いました。
運慶作と判明した、釈迦如来頭部が中央に鎮座し、両脇に付属の化仏(けぶつ)と、
周囲に飛天が並んでいます。
頭部だけでも高さ98cmと巨大で、螺髪が手の平に載る程の大きさ(ちょっとリアルすぎて
コワイ(笑))です。
化仏も飛天も50cm位と小さめで、完全な姿を留めていないものばかりなのが痛々しかった
です。
➢➢➢➢第4章・バーチャルリアリティ映像「よみがえる興福寺中金堂」「阿修羅像」
大体30名位が座れるベンチ(5人掛け位)が両側に並んでいます。
上映は数分で、「よみがえる…」方だけ見ましたが、CGで全体像を描き、正面扉が開い
たら、内部空間がこんなカンジですというもので、中は空っぽ。
実際に仏像が安置してある光景が見られるかと思っていたので、ここだけは期待はずれ
でした。
(このDVDを売っていたので、プロモだったのかと納得(苦笑))
一休みした後は、勿論ミュージアム・ショップへ(笑)
物凄い混雑です。中央で高見沢俊彦さんとみうらじゅんさんのコラボCDがかかり、
「フィギュア売り切れました」の文字が。事前に知っていたとはいえ、15000 体は少な
すぎると思っていたのでガッカリ。
(来場は毎日1万人強だとか。転売目的で買い占める人もいたようです)
向かって右手はトートバッグとTシャツと本とDVD、奥は興福寺出張お土産コーナー、
中央後ろは墨やクリアファイルなど、間に絵はがきのスタンド、左手は手ぬぐいやせんと
くんストラップ…
ゆっくり見る事は不可能ですが、何とか目的の品を無事購入。
おすすめは図録です。
2500円と安価で、カラーページが多く、読み応えがあり、展示品すべてのキレイな画像が
満載で、今回の現物よりも自然な色調で、見えづらかった部分もよくわかります。
予備分と2冊欲しかったんですが、重いのであきらめました(笑)
阿修羅像が東京に来るのは二度目だそうです。
前回の昭和27年も、景気後退で不況色が漂っていた… 今回も100 年に一度の世界的大
不況と言われる時期なのは、単なる偶然でしょうか。
痛感したのは、桜の古木のように人を引きつける魅力があり、見る側もそういう感覚を
持っているからこそ、その時代ごとに大切にされ、1300年近い年月を越えて存在する…と
いう事です。
罅が入り、欠落しているものも多数ありますが、幾多の災難を乗り越え、奇跡では軽い
(ピンと来ない)「現存する」という凄さ。
直に拝観出来る機会に恵まれ、本当に良かったです。
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|2009-05-17|中金堂配置図|NHK・『阿修羅 天平の謎を追う』|
CGによる復元を元に、配置図を作ってみました。十大弟子は6躰+八部衆で計14躰です。
「この一団の前(中央)に華原磬があり、婆羅門が打ち鳴らす中、それぞれが懺悔をして
いる」という解説
でしたが、国立博物館の解説では「お釈迦様の周りに皆が集まり、じっと話を聞いている」
です。どちらが正しいんでしょう(苦笑)
クリックで拡大します。
(中央背後、広目天と多聞天の間に釈迦如来と薬王・薬上菩薩)
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|2009-10-17|お堂で見る阿修羅|NHK・ANN『ニュース』|
動画はこちらです。
興福寺・仮金堂にて11−23まで開催されます。
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|2010-05-16|興福寺新展示 |NTV・『心の都へスペシャル』|
入ってすぐに左折、2m程の通路の右側に八部衆、左側に十大弟子がいます。
リニューアルした展示は、ガラスケースなしとなっています。
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|2010-09-19|深紅の阿修羅 |ANB・『都のかほりスペシャル』|
奈良国立博物館で、09−26まで特別展が開催中です。
復元模刻(レプリカ)の阿修羅が展示されています。
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|2011-01-09|廃仏毀釈時 |BS-TBS・『建築が語るもう一つの明治』 |
明治時代、廃仏毀釈(はいぶつきしゃく)の頃の阿修羅です。
腕が折れ、修復前の痛々しい状態だったのがわかります。
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|2011-03-20|免震装置 |ANN・『ニュース』 |
動画はこちらです。
02−16、震災等の転倒を防止する為に導入されたそうです。
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