|2013-12-01|興福寺創建1300年記念 興福寺仏頭展|東京藝術大学大学美術館|
    





    東京国立博物館に出ていた看板 
          

    東京藝術大学 道路を挟み向かい側が大学美術館です
      

    右手が美術館の入り口です 
      
      


    展示が地下2階と地上3階の2カ所で、2階入口から地下に下り、見終わったら3階へ。
    出口は2階で、ミュージアムショップは2階と1階(オリジナルグッズはこちら)、
    移動はエレベーターと階段で…と大変でしたが、案内の方がテキパキと対応していて、
    迷う事はありませんでした。
    仏像のみの感想です(苦笑)
    
   
   地下2階*************************************************************************  

    美術館入り口から階段で2階入口へ。メモ禁止の注意書きにクラッ…(大雑把な間取り図)

    美術館入り口→    |→     1階ミュージアムショップ
                  ↓       (吹き抜け)
    (隣室)        (階段)
    −−−−       | ↓

    ■  ●  |←2階入口 ←   
                                                チケット売り場
  

    正面に●『木造弥勒菩薩半跏像』、やや後ろに■厨子がありました。
    興福寺は国宝の仏像が多いせいか、持っている本やDVDの資料には載っていないので、
        存在を初めて知りました。      
     京の仏師ではないかとの事ですが、「快慶の文殊菩薩みたい」というのが第一印象でした。
    力強さより美しさが勝る、やや装飾過多(苦笑)と思える程の装身具を纏った、とても綺麗な
    仏像です。
    大きさは仏像だけで70cm位と小さめでしたが、見所がありすぎて(笑)、帰る前に又観ました。
    厨子の天井部分が花びらのような円形、天女が左右前後に四躰吊り下げた形で舞うという、
    これも初めて見るデザインでした。(私以外に凝視している人はいませんでした(苦笑))

    隣室を含め、周囲に系図や仏画などが展示されていましたが、メモを取れなかったので割愛…
    間に階段があり、反対側の部屋に入ると、正面に「板彫十二神将像」が展示されていました。
    正面向かって左から子丑寅、右折して卯竜巳、更に右折…という展示です。

    板彫は日本でこれだけ、十二神将がすべて揃っているのは珍しいそうです。
    厚さはわずか3cm。番組では「仏師がお寺の建築時の廃材を使った?(廃材でも木に変わりは
    ないという想い)」という見方でした。
    躍動感、質感、少し深く掘る事で影=奥行きを演出しているとか。
    画像ではあまり関心がなかったんですが、実物を観たら即視線が釘付けに。
    髪の飾りの部分が細かくリアルだったり、あっさりしていたり、細部の凝り方?が違いますが
    (苦笑)、普通に仏像を彫るより遙かに難しいのでは…と、数回廻ってしまいました(苦笑)
    
   3階*****************************************************************************
    
    仏頭の背後が入り口です。
    仏頭を正面に観て、右側反対側から十二支の順に木造十二神将がぐるりと並んでいます。
    一躰ずつ、あらゆる角度からじっくりと鑑賞出来るのは有り難いです。…暗いけど(苦笑)

    『空海』の時の十二神将立像(高さ70cm位?)よりも大きい(120 cm前後)せいか、より迫力が
    ありました。↑戌神の方は運慶説がある?!そうです。(表情が違うような… でもスゴイ完成度。
    5躰「東博」、7躰「静嘉堂(せいかどう)文庫」、こちらが揃う事はあるんでしょうか…)
    ポーズが派手だっだり、表情が豊かだったり、髪の毛が細かかったりざっくり(笑)だったり、
    競い合うようにそれぞれ個性が強烈です。
    凝った鎧やパーツのデザインも素晴らしく、カタログに載っているのを願いつつ、やはり数回
    廻ってしまいました(笑)    
 
    見返した時に「あれ?」…
    『招杜羅(しょうとら)大将』の沓の三角、同じ興福寺の『龍燈鬼』の眉みたい…
    ?! 獣の頭を履いてる?!
    鎧は結構ありますが、沓は珍しいですね。こういう発見があるとウレシイ(笑)
    脛甲(けいこう−膝下)の飾り、これが木とは……
    浮いて見えるのは照明で影が濃く映っているからで、実際は右足影程度の暗さです。
     
    仏頭は思っていたよりも小さく、幅が80cm位でした。
    …が、後で『阿修羅展』で観た運慶の仏頭と変わらない(こちらは幅広)と知り、驚きました。
    やはり頭部(螺髪の部分)がないせいでしょうか。
    彫りが深く、鼻筋が通った端正なお顔。
    …ですが、離れて観ても、近づいて観ても、見上げて観ても、微笑しているようには見えません。
    どちらかと言えば寂しそう、憂いを帯びているようにしか……
    側面や背後から断面が見え、こちらも予想したよりも薄く、なぜか華奢な感じがしました。
    …十二神将立像との再会を喜んでいるに違いない。きっと微笑っているように見える筈。
    そう期待していただけに哀しい……
    
    中央部分に立ってぐるりと室内を見ながら、改めて贅沢な空間にいるんだ…と、少しだけ余韻に
    浸りました。

   まとめ***************************************************************************

    この後又弥勒菩薩を観て、ミュージアム・ショップへ。
    展示カタログがB5と小さかったのがちょっと残念ですが、十二神将立像はそれぞれ4−6P、
    アップと前後左右の画像が載っていたので一安心(笑)
    文殊菩薩も多め、板彫もそれぞれ2Pずつ。読み応えのある解説や、今回書かなかった他の
    展示品も実物よりは小さい(細部はわからない)けど、貴重な資料が増えました(笑)
    
       
    痛感したのは、観に来ている人(客層?)が全然違う事(笑)
    観たら離れる、ムリに割り込まないなど、中高年の女性数人、男性が一人で…等、服装も
    マナーも上品な方ばかりで、ゆったりと落ち着いた雰囲気の中で鑑賞する事が出来ました。
    ミュージアムショップも静かで、「東博」のバーゲン会場のような喧噪もなし(笑)
    「いつもこうならいいのに…」と、苦笑しながら帰途につきました。
    …欲を言えば、TVのように↓はっきりと見えたら…(阿修羅はあんなに眩しかったのに(苦笑))
    昨年は観たい企画展がなくて寂しかったので、久々に堪能出来て幸せでした(笑)