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            |2004-10-07|2018-09-02| 更新


      ハリー・クラーク

      1889  ダブリン生まれ 父は教会のステンドグラス職人
      1907  アイルランド国際展示会にてビアズリー他に影響を受ける
       1911  1913まで毎年ステンドグラスコンテストで金メダル受賞
      1913 ロンドン・ハラップ社の挿絵を担当
      1914 奨学金でフランスへ
               ルーブルの展示会入選
       1916 Fairy Tales                     アンデルセン童話 挿絵
           1917までステンドグラス5つ制作
       1919 Illustrations for Ireland's Memorial Records,1914-1918 
                                  挿絵
         Tales of Mystery and Imagination      ポオ物語集 挿絵
         1920  The Year's at the Spring   ウォルター編新詩集 挿絵
      1922 The Fairy Tales of Charles Perrault ペロー童話集 挿絵
      1925 Faust                                 ファウスト 挿絵
      1928 Selected Poems                スゥインバーン詩集 挿絵
      1929 病気療養の為スイス・ジュネーブに1年滞在
      1930 兄の死去によりステンドグラスに専念
         ハリー・クラークスタジオ設立
      1931  肺結核で死去(享年42歳) 

                     


     私が初めてハリー・クラークの名前を知ったのは、
      小学生の頃から好きなポー(笑)の挿絵でした。(一部アレンジした
     邪道CG模写)
               
     検索して、大まかな経歴を調べる事が出来ました。
     …ステンドグラスのエッチングで使用した酸が、短命の原因だそうです。
      亡くなる直前にイラストをやめてしまったので、
      作品はこれだけだったのかもしれません。
 
        逆に見つめられているような不気味さと、気品が漂うキャラ、
     構図と線の繊細さ、色遣い、腐敗一歩手前の危うさ(腐ってるかも)…
        そんな作風に惹かれるようです。

     ステンドグラスが光なら、イラストは影。
        対照的な双方の作品の世界で生き続けるキャラは、
     御本人によく似ています。            



     持っている本のリストです。


                  2018「Hans Christian Andersen's Fairy Tales」
             A4位 ハードカバー 洋書
            「アンデルセン童話集」です。
            日本語版のモノクロイラストはレーザー
            カッティングのように繊細で鮮やかですが、
            サイズが小さいです。
            こちらのモノクロイラストは輪郭が滲み、
            粗が目立ちますが、カラーは鮮やかで美し
            いものが多いです。
            収録されている作品は日本語版の方が多く、
            洋書でも内容が理解出来ます。
            両方それぞれに良さがあり、買って良かっ
            たです。

            手元にある2013年と2015年のカレンダーは
            (どちらも内容は同じ(苦笑))、アイル
            ランドナショナルギャラリー蔵、このアン
            デルセン童話集に収録されている作品です。

         2016「Harry Clarke's War: Illustrations 
            for Ireland's Memorial Records,
            1914-1918」  
             A5位 電子書籍 洋書
            WW1で亡くなったアイルランド人の為に
            出版された記録本です。
            高価で内容が殆どわからないので、初めて
            電子書籍版クラーク本を買ってみました。
            4章のうち、第3章がイラストの解説です。
            イラストは表紙込みで9枚しかないのに
            カット並に小さく、絵の解説の為に部分
            拡大したものが数点、章の殆どが文字です。
            拡大してもハガキ弱の大きさにしかならず、
            折角の緻密なイラストが台無しでガッカリ。
            他国の同種類の本との最大の違い・特徴が
            イラストで、しかもタイトルなのに、なぜ
            1P大で載せないんでしょうか。
            ファンにとっては貴重なイラストでも、
            著作者にすれば単なる資料という事なのか。
            …電子書籍にして良かったです。
            (それでも高いけど) 
            参考に、表紙のページを載せておきます。
            オリジナル下部分のカット・拡大という
            酷さがわかると思います。

                          
            
                        
         2015「ハリー・クラーク」 
                         B5位 ソフトカバー 洋書
            カバーは判りづらいですが、アイリス色の
            箔押し(金属的な加工)です。
            厚さ2cmで、全ページ上質紙でカラー、冒頭
            に写真とプロフィール(英語ページあり)、
            巻末に他作家の作品が載っています。
            装丁と各ページのデザインが素敵で、どこ
            から読んでも楽しめます。
            「スゥインバーン詩集」もありました。
            一番嬉しかったのは、各イラストが大きくて
            鮮明で、下に簡単な解説があり、具体的な
            イメージが掴めた事です。
            マーティン・ムーア・スティーソン氏のコレ
            クションと協力で作られたそうで、本当に
            有り難いです。
            前回紹介した英語版と同様、必携の良書で、
            興味を持たれた方の入門編としてもおすすめ
            です。(しかも安い…)        


         2014「The Life & Work」 
                         B5位 ソフトカバー 洋書
            伝記本のようですがレビューがなく、正直
            ダメ元で買いました(苦笑)
            厚さ2.5 cm、本文は上質でツルツルした紙で、
            重いです。
            影響を受けた他作家の作品もありますが、
            スケッチやステンドグラス、未収録イラスト、
            下書き、ハンカチのデザイン、貴重な写真等、
            とにかく初見の画像が満載です。
            既出のイラストは発色が鮮やか過ぎるので、
            原画の元の色をデジタル処理したのかもしれ
            ませんが、まるで今描かれたかのような美し
            さです。
            (下の「ファウスト」のカバーイラストも
            ありました。ブリストルボード=厚紙に鉛筆、
            水彩だそうです)
            ステンドグラスの作品の多さにも驚きました。
            文字通り、命を削ったんですね……
            英文も辞書を片手に読めるし、資料としても
            ファンなら必携! おすすめです!

        
         2014「ファウスト」 
                          A4位 カバーなし 洋書
            カバーイラストが初めて見るイラストだった
            のと、安い(1000円位)ので買ってみました。
            文字が大きく、イラストは殆ど無く、カット
            (ボケボケ)が数点…
            文字以外は原書の拡大コピー(笑)です。

                     
         2012「ファウスト」 
             B5位 ケース入り
                      荒俣宏さん訳で原書の殆どを掲載し、印刷も
            オリジナルの装丁も美しいです。
            ただ、荒俣さん解釈の訳なので、他の訳版の
            イメージが強いと、違和感があるかもしれま
            せん。
            巻末に解説があり、出版の経緯やイラストを
            止めてしまった原因等がわかりました。
            日本語で読めて、イラストやカットが堪能
            出来ます。   
            (このシリーズであと1冊、是非『スゥイン
            バーン詩集』も出して欲しいです)      


                 2010「ペロー童話集」 
             B5位 ケース入り
                      荒俣宏さん訳で、ウォルター編新詩集の『とき
            は春』も収録されています。
            クラークのカラー、挿絵が入っている詩を掲載
            したそうです。(全体の1/3位)

            洋書版との比較です。
            挿絵は全て日本語版に掲載され、ケースのイラ
            ストは洋書版にはありません。
            大きさに拘らなければ、日本語版をおすすめ
            します。
            日本の印刷は鮮明で美しく、素晴らしいです。


         2010「ペロー童話集」 
             A4位 カバーなし 洋書
            原書の復刻版で10作品収録です。
            印刷はピンボケや汚れが所々あり、紙も薄く、
            装丁の割に割高感が否めません(苦笑)


                  2008「ポオ物語集」 
             A4変形位 ハードカバー 洋書
            原書の復刻版で、29作品全てにイラストがつい
            ていて、カラーも数点掲載されています。
            黒の布貼り・金の箔押しの装丁ですが、カバー
            がないのが残念です。  


             2005「イリュストレ大全(2)」 
             A5 ソフトカバー
             『ポオ』表紙、『スゥインバーン詩集』他が
            数P紹介されています。


         2005「アンデルセン童話集」 
             B5位 ケース入り
            アンデルセン生誕 200年記念で発刊されました。
            荒俣宏さん訳で、カラーも多いです。

  
            1994「新編 妖精画廊」 
             A4位 ソフトカバー
                『ポオ』『ファウスト』がカラーとモノクロで
            数P紹介されています。