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粗筋と大雑把な感想

                        

    ジェイミーは12歳、サッカーやイタズラ好きで、食料品店を経営する両親
   と妹エルシーと、平凡に暮らしていた。
    街を歩き回って探検するのが日課だった頃、とある公園で三角形の緑地を
   見つける。周囲から音が遮断された不気味な空間、三角形の建物、中にいる
   マント姿の男達…
     心惹かれたジェイミーは再びそこを訪れ、男達がサイコロのようなもので、
   ボードゲームをしているのを見てしまう。
   …その男達(『あいつら』)は、ジェイミーを自分達にとってランダム要素
   故に、捨てた(ディスカード)と宣告する。
    それが『故郷に向かう者』(バウンダーズ)として、『境界』上の何百と
   いう世界を彷徨う、長いゲームの始まりだった。
    ルールを学びながら、色々な世界を経験してゆくうちに、奇人の女の子
   ヘレンと、悪魔ハンターのヨリスと出会い、『あいつら』に反撃する機会と
   方法を探り始めるが…

                      

    好奇心から巻き込まれたジェイミーが、案外冷静で取り乱しもせず、順応
   性があって精神的にたくましいので、これで12歳?!と思ったら……
    出会う人、ゲームのルール、協力者の出現と、よくある?ゲームの設定
   とは違う、ジョーンズさんらしい独特な世界が実は……
      いつものように、読み進むと『あいつら』と仕掛け人、仕組み等の謎がすべ
   て明らかになる構成ですが、ラストは当初ジェイミーに抱いた違和感が、
   このせいだったのかと「………」
      ヒネリがきいていたのですが、苦い読後感でした。
   …あの時イヤな予感がしたのに。引き返せば、見なければこんな事には…
   好奇心は時として身を滅ぼします。つくづく恐ろしいものだと思います。