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粗筋と大雑把な感想

                        
       おおいぬ座の総督シリウスは殺人罪で裁判にかけられ、無実を主張するが、
   地球上で犬として生きる罰を下される。信じていた者に裏切られたのだ。
   元の姿に戻るには、一緒に送り込まれたゾルを見つけるしかなかった。
    そんなシリウスを拾ったのは、ダフィールド家に身を寄せているキャスリー
   ンだった。アイルランド人で父が服役中の為、妻ダフィーは厄介者だと辛く
   当たり、2人の息子と3匹の猫も、シリウスを歓迎してはくれなかった。
    シリウスは子犬から成長するにつれ、徐々に昔の記憶を取り戻しながら、
   何とかゾルの手がかりを探し出そうとするが…

                      
     シリウスの視点中心でストーリーが進行するせいか、成長する過程や心境の
   変化などが、とてもわかりやすかったです。
   星に感情があり、それぞれの性格がはっきりしているのも面白いし、短気で
   すぐにキレてしまうシリウスが、恩人であるキャスリーンを想う優しさを持ち、
   境遇を恨まずに前向きに生きる姿は、外見で騙されてしまう点を除けば(笑)、
   好感が持てました。(『ハリポタ』の同名キャラと酷似してるけど、印象は
   なぜか正反対…)
     クライマックスのキャスリーンの反応と、想いは伝わらないもどかしさ…
   2人の心中を思うと、やりきれませんでした。
   子供は勿論、内包する様々な問題(アイルランドの歴史は……)が理解出来る
   大人にも読んで欲しい作品です。