ワーナーのロゴから不気味な骸骨、手前から前方へ這って行く蛇ナギニ…
てっきり映画2みたいな大蛇かと思ったら、普通のアナコンダ位しかない(笑)
丘の上のリドル家、左にフランクの住む家、お茶を飲む為にケトルをコンロに置い
て、ふと窓の外を見るとリドル家に明かりが。
鍵を取り、悪態をつきながら家を出るフランク。
お屋敷の割には意外と狭い階段を登り、突き当たりのドアが半開きで、ワームテー
ルと… もう一人は誰?!
…クラウチ息子?!
いきなり原作と違う出だしに?!、でもこの方がわかりやすいかも…と思う間もなく、
ナギニがフランクの足下をかすめ、ヘビ語で何やら話す「おれ様」(間抜けな字幕)
フランク危うし! …で、次の瞬間、ピーと鳴って沸騰を告げるケトル。
時間経過がよくわかる演出で良かったのですが、いきなりこのシーンの悪夢でうな
されるハリーのアップに?!
「リドル家の50年前の悲劇は?!」…あっさりカットです。
同室に寝ていたロンが、布団を引き上げながらハーマイオニーに不審そうに訊ねる
のが可笑しい(笑)
『隠れ穴』の外見、出発する一行、エイモスとセドリックと落ち合う…で、あっ
という間にポートキー、そして会場到着。
エイモスは人の良さそうなおじさんで、息子自慢もせずにハリーに挨拶と、キャラ
の印象が違います。
既に設営済みの2人用位のテントを覗くと、中は広々した空間が広がるのに驚く
ハリー。映画ならではのアイディアで、この方が魔法界らしいと思いました。
(服装が思いっきりマグルなのはおいといて)
賑やかな会場外がちらっと映り、スタジアム上空から中央へ。
…ほぼ垂直部分は立ち席で、落ちないように柵があって、軽く20万人は収容出来
そうな規模です。ハリー達の席は最上段なので、金属製の手すりの階段(工事現場
の足場のよう…)を登らなくてはならず、途中で会ったルシウスが、アーサーに
イヤミを言い、ステッキでハリーを下から突きながら脅すセリフは伏線ですね。
「ウィンキーは?!」「バグマンは?!」「バーサは?!」…全部カットです。
チーム紹介は打ち上げ花火風マスコットとマスゲーム風で、クラムのファイア
ボルトの柄が真っ赤なのは特別製? ヴィーラは出て来ませんでした。
…試合開始と共に、もう次の瞬間には終わり、テント内でクラムファンのロンを、
双子とハリーが歌でからかうシーン。
外が騒がしいのにおかしいと気づいたアーサーに、早く避難しろとせかされて出て
みれば、『デス・イーター』がテントに火をつけ、逃げまどう人々でパニック。
ハリーだけが別の方向に逃げ遅れて誰かに昏倒させられ、気絶して目覚めたら、
クラウチ息子が愉快そうに笑い、杖で『闇の印』を上空に…
ハリーは何とかハーマイオニーとロンと再会したものの、魔法省の一団に囲まれ、
あわやという所をアーサーに制止され…と、クィディッチ・ワールドカップの慌た
だしかったこと……
原作はこの部分が長いので、大胆カットはいいけど、余裕がなさすぎます(笑)
ホグワーツ特急の車内販売で、記事に眉をしかめるハーマイオニーと、食欲が
ないハリー、そこでいきなりチョウ・チャン初登場。
ハリーは面識がない筈だから、表情から察するに、この時点で意識したんですね。
「小柄な美少女」じゃなかったけど…
で、次のシーンがボーバトン校の馬車が学校の横を飛び(ハリー達は校内にいる
のに、特急内と同じ私服。着替えて到着しないのはヘン)、ダームストラング校の
船が湖から出現(まるで海賊…遊覧船のよう(笑))
…の次に、ダンブルドア先生のトライウィザード説明(フィルチが珍しくスーツ
を着て、ちょこちょこ走るのに場内から笑い声)、両校の生徒が入場と、順序が
逆なのでちぐはぐな印象でした。
予告編で豪雨のシーンがあったのですが、あれがムーディ先生だったんですね。
「何飲んでるんだろう?」と、飲むシーンを意識させるのは良かったです。
(数度出てきました)
「優勝者には永遠の名誉…って賞金は?!」…カットです。
双子がキラリと目を輝かせるのは賞金目当てであって、名誉欲ではないのに…
老け薬でチャレンジと言う双子に、ハーマイオニーが年齢線の説明をして笑う等、
結果は同じでも過程が違う…と、今回も原作パラレルワールドです。
ゴブレットに入れられて、一旦は成功かと思いきや、赤い炎で吹き飛ばされ、
お祖父さんになる双子で、又もや場内大爆笑。(最初は皆控えめにクスッ程度だっ
たんですが、この辺りから普通に笑ってました。こういう雰囲気も初めてです)
時計が7時を告げ、ゴブレットの燃えさかる炎が選手名のメモを弾き出すのは、
ハデで面白い演出だと思いました。
クラム、フラー、そしてセドリック…の時、呼ばれるのはわかってるから、さあ
立ち上がらなくてはというカンジ(笑)
無事終わりかと思ったら、ゴブレットに背を向ける校長の後ろで、険しい表情で
数歩歩き出すスネイプ先生。ゴブレットから再び赤い炎が…
隣室で「(名前のメモを)入れたのか?!」とハリーに詰問するダンブルドア先生。
原作とはキャラのイメージが全然違うのに「?!」
映画3から俳優さんが交替で、衣装や印象が変わるのは仕方ないけど、感情を露骨
に出すのは、威厳も理性もないように見えました。まさか、ハリーが汚いマネを
したでもと思ったんでしょうか? 信頼していた校長がこれでは、今後どうなる
やら…(後述します)
寮に戻ると、ロンや他のルームメイトの余所余所しさに戸惑うハリー。
なぜロンが怒っているのか、原作未読だとわかりません。
選手の記念撮影で、嫌われ者リータ登場。
字幕はしっかり「ざます」だったけど、想像より遥かに若かったので意外でした。
原作がギラギラしつこいオバサンなら、映画はあっさり煙にまくオバサマ(笑)
ハリーにインタビューする時(ちゃんとQQQも出てきました)の年下に媚びる
ような目線や、話を全然聞いていない身勝手さ、馴れ馴れしく触るなど、映画版の
リータは、憎めないコミカルなキャラで良かったです。
選手になった事を、ハーマイオニーのアドバイスで手紙を書き、シリウスに知ら
せたハリーの元に、ヘドウィグではない学校のふくろうが返事を持ってきますが、
手紙のやりとりはこれだけです。
ムーディ先生の授業のシーンも、魔法の目が真後ろが見えたり、ともかく実践と
クモで教えたりと、原作のままの変人ぶり。
個人的に、FTでファスナーはイヤ(笑)なんですが、イメージはガンマン風、
メカっぽい義足、迫力あるメイク。…これで鬣みたいな長髪だと、もっと良かった
です。(切り取られたのがわかりやすいし)
ムーディ役の俳優さんは教師だったそうですが、いました、コントロール抜群の
チョーク投げ先生(笑)
授業後、ショックでうなだれるネビルを強引にお茶に誘うムーディ先生と、雨粒が
当たって泣いているように見えるステンドグラス…
ハーマイオニーの伝言はロンと一緒ではなくて、様子をそっと見ている方が
「実は遠回しに謝っている」とわかったような気が…
ドラゴンを見せるハグリッドのシーン、これはカット出来ませんね。
廊下ですれ違う生徒の右胸に、セドリックを応援し、ハリーを非難する丸いバッ
ジが。ハリーを見る生徒達が「卑怯者」と軽蔑しているのがわかります。
課題はドラゴンとセドリックに告げるハリーに、「僕は止めたんだけど」と、
済まなそうに言うセリフに、性格がよく出ています。こういった描写は、今迄で
一番わかりやすいです。
…俳優さんは上手いけど、個人的に好みではないので残念でした。映画1のオリバ
ー役の人が(映画1でサブキャラじゃ勿体ないと思った)、イメージピッタリなん
ですが…
木の上から呼び止め、降りて取り巻きとからかうドラコに言い返すハリー、見張
っているムーディ先生は、杖で背後から不意打ちを食らわそうとしたドラコに、
変身術で体罰を与えるシーン、マクゴナガル先生がキレそうになるのにとぼけ、
後ろ姿に舌を見せる… ムーディ先生と思えば笑えるけど、実は…だから、ネビル
の件も含めて悪意でやったんですね。残忍さをかいま見るようでした。
カルカロフに何もしなかったのは、バレるからでしょうか。
暖炉のシリウス生首シーンは、消えかかる炭が顔の形になるものでした。
生首だと不気味だから止めたんでしょうか?
『第一の課題』。ハリーにいきなり抱きつくハーマイオニーを激写したリータの、
「ヤァーング、ヤァーング」の口調が笑えました。
生徒達が命がけのハリー(ああいう死刑あったような…)を応援し始め、鎖でつな
がれていた筈のホーンテイルが、ファイアボルトのハリーを追いかけ、ホグワーツ
城周辺でスリリングな攻防戦……って、この時点で失格のような展開に首を傾げ
つつ、箒に引火し、くすぶりながらも生還したハリー。…ヘタしたら死んでます。
グリフィンドール寮では英雄扱い、ハリーもちょっと図に乗って(笑)卵を開け
たらキーーーーンと、耳を塞いでも耐えられない騒音が。
…原作では普通の卵風だと思っていたんですが、映画ではオモチャみたい…
クリスマスダンスパーティーのパートナー探し(双子の誘い方と、私語でバシッ
とスネイプ先生に叩かれるハリーとロン、怒るハーマイオニー)、実は海外サイト
の予告編でこれを知り、俄然観に行く気になったのです(単純(笑))
マクゴナガル先生のダンス指導の時の、いつもと違うウキウキした話し方、歯の
浮くようなセリフ、顔を背ける男子生徒、この辺りも原作と違うけど、面白かった
です。
…パーティのシーンは、何だか高校生とは思えないフケ…大人びた人間界風の
正装(民族衣装)で、オーケストラの楽器もダンスの振り付けも、全然魔法界の
雰囲気がなかったです。魔法界ならではの世界観が、映画3から急激に俗っ…希薄
になってます。
…コスチュームデザインは映画1・2が一番と思ってるし、映画3みたいに、一気
にビンボー臭くなるとイヤだからいいけど(笑)
ハーマイオニーがボサボサ髪なのは映画1だけで、2からはソバージュだったり、
タテロールだったり、編み込みだったりとよく変えていて、ドレスアップした時の
「いつもと別人のような衝撃」や、ドラコの「呆然とするリアクション」がなかっ
たです。
でも、最後に慣れないハイヒールを脱ぎ、泣き出すシーンは「どうして誘ってくれ
ないの?! 私を女の子と見てくれないの?!」と、乙女心(死語)がよくわかり、
苛立ちや照れた笑顔など、表情がくるくる変わるエマちゃんの名演技が光っていま
した。今回はハリーが一番頑張ってるのに、サブキャラの方が目立ちます。
セドリックのヒント(合い言葉はなし)で、卵持参で泡風呂につかるハリー、
動き出す人魚のステンドグラス。(今回ステンドグラスが多いけど、今までホグワ
ーツになかったような…)
そこへ聞き覚えのある声と共にマートル登場、慌てて泡で体を隠すハリー。
躙り寄るマートルと必死なハリーに、場内大爆笑でした。
ネビルの協力で、鰓昆布…ギリウィードじゃわかりづらいけど、まあ珍訳ですね
(笑)原書のイラストがネズミの尻尾の団子みたいなのだったから、どんな不気味
なものかと思ったら、そうめんのように細めにまとめた、ただのわんこ昆布(笑)
それを飲み込み、のどにつまらせるのを見て2発後ろから叩くムーディ先生と、
むせるハリーのやりとりも又爆笑…(もっと緊迫感がある方がいいと思うんですが)
鰓・水掻きが出来るハリーや、マーピープルなど、水中の描写は凝ってました。
ガブリエル役がフラー役ソックリだったので、パチル姉妹が実は他人と知った以上
にビックリ(笑)
カルカロフと薬品倉庫?で話している所へ、通りかかったハリーが『闇の印』を
見てしまい、鰓昆布とポリジュース薬の紛失で犯人扱いするスネイプ先生。
真実薬まで説明してしまうとは思いませんでした。苦心の跡が伺えます…
が、「ペ(PE)リタセラム」じゃなくて「べ(BE)」でしょう? 監修の松岡さん。
ペンシーブは「たまった記憶を吐き出すもの(大意)」なんですか?!
「見たい記憶を取り出す」と解釈していたのでビックリ。
他校を含めて味方が一致団結すべきだから、大会を企画した。
…パンフの説明に、「えええっ?!」と驚愕したのは私だけでしょうか…
ハリーを陥れた犯人の手がかりがない(だからペンシーブが糸…記憶だらけ)と、
ダンブルドア先生が弱音を吐くのも、大胆というか今後の影響が心配というか…
過去を見たハリーの証言で、ダンブルドア先生はムーディ先生が…と気づくのです
が、ハリーはなぜカルカロフがいた・スネイプ先生が『デス・イーター』だったと
驚かないんでしょうか?!
(省いたのが後で描くからか、大したエピソードでないのかがわからないです)
迷路は「どこにこんな広々とした空間が…」と思うような広大さ。
ヘタしたらゴールまで数日かかりそうだし、スタート地点で待つだけの生徒達には、
前回同様、応援しがいのない課題です。
ダンブルドア先生が、優勝カップをムーディ先生が置いてきたと言ったのは、原作
で指摘されたからでしょうか。
棄権したフラーを助けたハリーが打ち上げた信号は中頃?だったのに、その後割と
すんなりと辿り着いてしまい、セドリックを助けに戻ったハリー(こういう優しさ
は、今までと変わらない)と、一緒にゴールで3つ数えたら…
冒頭に出てきたシーンです。
優勝カップがポートキーだと言うセドリック、見覚えがあると呟くハリー。
到着していきなり…ではなかったけど、この方がショックが大きいかもしれません。
…大鍋に不気味なものを放り込み、自分の右手首、ハリーの血と…
いよいよヴォルデモート復活! その正体が遂に明かされる!と、思わず身を乗り
出したのですが(心の中で)……
…全然恐くないのです(苦笑)
元の俳優さんが坊主頭になり、白塗りで鼻をヘビのようにCG処理で低くした程度
で、唇も裂けてないし、目も瞳孔が細長く縦で、赤く光ってないし……
予告編で「東洋の修行僧」みたいだと思ったんですが、打ち合わせに見えなくも
ない衣装のせいか、その通りだとは…(笑)
ヴォルデモートが杖を受け取り、ワームテールの左腕の内側(手首からちょっと下)
あたりの『闇の印』をなぞると、空中から突如揺らめくようにローブが出現、すと
んと降りて人の形を取り…… このCGは一番良かったけど、これだけ?!
やたらに多かった『ディメンター』に比べ、少なすぎる『デス・イーター』(笑)
ヴォルデモートの語りも短縮版(笑)で、長々と過去を説明する事は一切なく、
ハリーに触れると嬉しそうに近寄り、即決闘。
…舞台は雰囲気出てるし、顔が全然恐くないのはともかく、なぜヴォルデモートの
不気味さが感じられないのか…と、後で考えてみたんですが、どうやら立ち居振る
舞いがキビキビしすぎて、話し方もごく普通と、魔法界全体を恐怖に陥れる闇の
帝王というより、「小規模な悪の組織を率いるボス」に見えたからだと思います。
(注・私見)
原作ではゆらっ…とか、ぎしっ…とか、動きも展開もスローに思えただけに、時間
的制約が影響したのかもしれません。ゆとりとムダは紙一重。難しいです。
杖が共鳴し合って、セドリックが、フランクが(ハリーには誰?でしょう)、
リリーが右側に、ジェームズが左側に現れ、時間を稼ぐと囁き、セドリックが連れ
て帰ってと頼むシーンは、映画1の『みぞの鏡』のようで切なかったです。
「ところで不死鳥は?」…カットです。なぜかは不明です。
ハリーのメガネに閃光が映り、目くらましのように光る間に杖を拾い、セドリック
と一緒に競技場のスタート地点へ…で、グリフィンドールの勝利と勘違いする生徒
が、そうではないと知って引き、セドリックにすがるシーン、エイモスがどんな人
かわかるだけに、原作以上に悲しみがよく伝わってきました。
ムーディ先生と共に研究室へ戻ったハリーが、正体を知ってあわや…のシーン、
敵鏡に映るカットを入れて欲しかったです。
薬が切れて戻る前に、真実薬をどばどば注いでいたスネイプ先生。
クラウチ息子に弱みを握られていたら出来ませんね。原作で考えたように、接点は
ないのかもしれません。
海賊の宝箱のようなトランクが入れ子になっていて、外側から順にせり上がりなが
ら蓋が開き、数メートル底に座り込んでいるムーディ先生登場。
髪型が同じに(切り取られた形跡がないように)見えたけど……
「で、クラウチ息子はどうなったのか?」「シリウスとの再会と、スネイプ先生の
『闇の印』、陰険な握手は?!」 ……カットです……
(…信じられない……… 見せ場を毎回カットだなんて………(涙))
喪に服す大広間で、各校の団結を呼びかけ、別れを惜しみながら(クラムがハー
マイオニーにアドレス渡してました)帰途につく両校の生徒達。
ハーマイオニーがハリー達に「手紙を書いて」と言うと、ロンは断り、ハリーは
「毎週書くよ」と答え、最後は湖に沈んで行く船の横を、馬車がかすめるシーンで
終わりです。
原作4はラストの双子とのやりとりと、「笑いが必要になる」のセリフが、とても
ハリーらしくて感動したのに…………
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