◈◈期間は10−02〜12−09です。
待たずに入れました。
右側エスカレーターを上り、「平成館」2階右手手前が会場入口です。
(左側エスカレーターが帰路)
チケットです。オンラインチケット(印刷版・購入者とバーコード部分を消して
あります)ですが、回収後半券と交換ではなく、スタンプを押されました。
出品目録です。
  
展示会場は3つに分かれていました。(P3参照↑)
◈◈大法恩寺の歴史と寺宝
由来や歴史等の解説、時代が違う仏像などが展示されていました。
◈◈聖地の創出
中央に快慶の弟子行快の釈迦如来像、周囲に快慶の十大弟子(全てぐるりと観ら
れました)というレイアウトでした。
画像ではピンと来ず、興味もなかった(暴言)のですが、会場に入るなり「?!…」
「暗い…… 小さい……!」
六観音位かと思っていたのに、いずれもわずか1m弱しかありません。
快慶最晩年の作ですが、全てではないそうです。
運慶最晩年の作品もですが、個性(印象)は変わらない気がします。
骨格、筋肉、布の質感、それぞれ表情もポーズも変え、舎利弗(しゃりほつ)の
背骨の突起、鮮やかな色彩が残る布地部分、全員違う瞳と、よく目にする(これ
以外は滅多にない)正面画像は、実物の凄さの1/10も伝えていない…………と
痛感しました。
十大弟子の特徴はパネルに展示してありましたが、作品の足元にこれを書いて
くれれば…と思いました(苦笑)
行快は快慶の作風を忠実に守っていて、上品で力強く、綺麗にまとまっていると
思いましたが、行快らしさ(個性)はあまり感じられませんでした。
天王および羅刹立像。ケースの中の展示です。
高さ20cm強〜30cm弱と小さく、天王と羅刹5躰が円形に並んでいました。
仏師は不明との事ですが、何となく同じ(1人の)ような…
邪鬼や龍燈鬼のように表情豊かで躍動感があり、小さくてもやっぱり慶派の作品
はいいですね(笑)存在を初めて知りましたが、観られて良かったです。
◈◈六観音菩薩像と肥後定慶
六観音はほぼ予想通りの大きさで、暗い会場にほのかに浮かび上がるような照明
で、影の部分の細部(背後など)はかろうじて見える程度でした。
光背が外され、背中側も拝観出来る後期に行ったのですが、曲線が際立ち、凛々
しいけれどエレガントと、他の慶派とは全く違う作風で、とても綺麗です…が、
ちょっと近寄り難い感じがしました。
馬頭観音のお顔だけが男性的で、他が女性的で、台座と光背のデザインはほぼ
同じ(よく見ると違いがわかる程度)です。
台座の蓮の葉脈の間隔が違うとか、全体の完成度は同じに見えるのは、パーツ毎
に担当が決まっていたから?などと考えつつ、光背をよく見ると一枚の板では
なく、組み合わせてありました。
一見すると五つ子のように似ていますが、定慶の名があるのは准胝(じゅんてい)
観音だけで、瞼の表現が違い、やや面長だけど、眉鼻唇の位置と形がほぼ同じ
なのは、表現に決まりがあるからだそうです。
他では見た事がない複雑な前髪、ふっくらとした丸顔、柔らかい腕の表現、自然
なポーズ(腕の広がる角度)、複雑なひだと、他とは明らかに完成度が違う…と、
後で買った図録で再認識しました(苦笑)
如意輪(にょいりん)観音は醍醐寺のように微笑むのではなく、どことなく思案
顔です。
十一面観音は准胝観音と髪の毛の表現(後頭部の分け目)と横顔がほぼ同じで、
これも定慶という気が…
馬頭観音は上半身が強ばり(髪の毛などが特に直線的)、衣の柔らかな表現とは
対照的です。
千手観音と十一面観音とは頭の上の部分も、准胝観音とは全然違います。
TVで梱包する所を見ましたが、両方共手の部分が外れないのには驚きました。
最後、聖(しょう)観音だけが撮影可(フラッシュ禁止)でした。
人間道だから?と思ったら地獄道だし(苦笑)、なぜ選ばれたのかはわかりませ
んが、自然に譲り合いながら撮影出来ました。
◈ まとめです。
TVで大法恩寺の六観音を観て、その美しさに「?!」…
いつか拝観出来たらと思っていた所、今回の企画を知りました。
展示品は少なかったものの、予想の何倍も素晴らしかったです。
図録はロング、アップ、角度を変えて…と画像が多く、暗くて見えなかった細部
(苦笑)も載っていて、大判なのに軽く、充実した内容で良かったです。
今回は本館の仏像企画展がなくて残念ですが、来年の「国宝 東寺展」が楽しみ
です。(真夏でなくて良かった(笑))
◈◈おまけです。
台風の塩害なのか時期が遅いのか、昨年は黄金色だったユリノキが茶色でした…
上野、「高村光雲」といえば…
上野駅にクリスマスツリーが飾られていて、パンダと一緒に撮影出来るコーナー
がありました。
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