|2018-12-01|京都 大法恩寺 快慶・定慶のみほとけ |東京国立博物館 平成館|



   ◈◈期間は10−02〜12−09です。

    
    
    
    
    
    待たずに入れました。
    右側エスカレーターを上り、「平成館」2階右手手前が会場入口です。
    (左側エスカレーターが帰路)
    

    チケットです。オンラインチケット(印刷版・購入者とバーコード部分を消して
    あります)ですが、回収後半券と交換ではなく、スタンプを押されました。
        

        出品目録です。
                
        展示会場は3つに分かれていました。(P3参照↑)
     
   ◈◈大法恩寺の歴史と寺宝   

    由来や歴史等の解説、時代が違う仏像などが展示されていました。

    
   ◈◈聖地の創出

    中央に快慶の弟子行快の釈迦如来像、周囲に快慶の十大弟子(全てぐるりと観ら
    れました)というレイアウトでした。
    画像ではピンと来ず、興味もなかった(暴言)のですが、会場に入るなり「?!…」
    「暗い…… 小さい……!」
    六観音位かと思っていたのに、いずれもわずか1m弱しかありません。
    快慶最晩年の作ですが、全てではないそうです。
    運慶最晩年の作品もですが、個性(印象)は変わらない気がします。
    骨格、筋肉、布の質感、それぞれ表情もポーズも変え、舎利弗(しゃりほつ)の
    背骨の突起、鮮やかな色彩が残る布地部分、全員違う瞳と、よく目にする(これ
    以外は滅多にない)正面画像は、実物の凄さの1/10も伝えていない…………と
    痛感しました。
    十大弟子の特徴はパネルに展示してありましたが、作品の足元にこれを書いて
    くれれば…と思いました(苦笑)

    行快は快慶の作風を忠実に守っていて、上品で力強く、綺麗にまとまっていると
    思いましたが、行快らしさ(個性)はあまり感じられませんでした。

    天王および羅刹立像。ケースの中の展示です。
    高さ20cm強〜30cm弱と小さく、天王と羅刹5躰が円形に並んでいました。
    仏師は不明との事ですが、何となく同じ(1人の)ような…
    邪鬼や龍燈鬼のように表情豊かで躍動感があり、小さくてもやっぱり慶派の作品
    はいいですね(笑)存在を初めて知りましたが、観られて良かったです。
    
        
   ◈◈六観音菩薩像と肥後定慶
                             
    六観音はほぼ予想通りの大きさで、暗い会場にほのかに浮かび上がるような照明
    で、影の部分の細部(背後など)はかろうじて見える程度でした。
    光背が外され、背中側も拝観出来る後期に行ったのですが、曲線が際立ち、凛々
    しいけれどエレガントと、他の慶派とは全く違う作風で、とても綺麗です…が、
    ちょっと近寄り難い感じがしました。
    馬頭観音のお顔だけが男性的で、他が女性的で、台座と光背のデザインはほぼ
    同じ(よく見ると違いがわかる程度)です。
    台座の蓮の葉脈の間隔が違うとか、全体の完成度は同じに見えるのは、パーツ毎
    に担当が決まっていたから?などと考えつつ、光背をよく見ると一枚の板では
    なく、組み合わせてありました。
  
    一見すると五つ子のように似ていますが、定慶の名があるのは准胝(じゅんてい)
    観音だけで、瞼の表現が違い、やや面長だけど、眉鼻唇の位置と形がほぼ同じ
    なのは、表現に決まりがあるからだそうです。 
    他では見た事がない複雑な前髪、ふっくらとした丸顔、柔らかい腕の表現、自然
    なポーズ(腕の広がる角度)、複雑なひだと、他とは明らかに完成度が違う…と、
    後で買った図録で再認識しました(苦笑)
    
    如意輪(にょいりん)観音は醍醐寺のように微笑むのではなく、どことなく思案
    顔です。
    十一面観音は准胝観音と髪の毛の表現(後頭部の分け目)と横顔がほぼ同じで、
    これも定慶という気が…
    馬頭観音は上半身が強ばり(髪の毛などが特に直線的)、衣の柔らかな表現とは
    対照的です。
    千手観音と十一面観音とは頭の上の部分も、准胝観音とは全然違います。
    TVで梱包する所を見ましたが、両方共手の部分が外れないのには驚きました。

    最後、聖(しょう)観音だけが撮影可(フラッシュ禁止)でした。
    人間道だから?と思ったら地獄道だし(苦笑)、なぜ選ばれたのかはわかりませ
    んが、自然に譲り合いながら撮影出来ました。
    
        
       
    

    
   ◈ まとめです。

    TVで大法恩寺の六観音を観て、その美しさに「?!」…
    いつか拝観出来たらと思っていた所、今回の企画を知りました。
    展示品は少なかったものの、予想の何倍も素晴らしかったです。
    図録はロング、アップ、角度を変えて…と画像が多く、暗くて見えなかった細部
    (苦笑)も載っていて、大判なのに軽く、充実した内容で良かったです。
    
    今回は本館の仏像企画展がなくて残念ですが、来年の「国宝 東寺展」が楽しみ
    です。(真夏でなくて良かった(笑))
    
        
   ◈◈おまけです。

    台風の塩害なのか時期が遅いのか、昨年は黄金色だったユリノキが茶色でした…
    

    上野、「高村光雲」といえば…
    

    上野駅にクリスマスツリーが飾られていて、パンダと一緒に撮影出来るコーナー
    がありました。