|2011-09-25|運慶とその周辺の仏像|東京国立博物館・本館14室|
◈◈開催期間は 2011-07-12→10-02 です。
偶然知り、『空海と密教美術展』の後に拝観して来ました。
『運慶展』の大日如来に再会。光得寺の大日如来は、厨子から出た状態の展示!でした。
厨子との間には、胎内模型(高さ15cm位?)が置いてありました。
(15の左側のガラスに映りこんでいます(苦笑))
大日如来2躰以外は撮影可(フラッシュ禁止)です。画質が今ひとつですが、載せておきます。
同じ「十二神将立像」ですが、東博/曹源寺蔵共に12躰揃ってはおらず、一部は名称が重複しています。
読みづらいので書き起こします。
特集陳列
運慶とその周辺の仏像
ここに展示した二体の大日如来像は、作風、構造、像内納入品の種類と納入方法等に共通するところが
多く、ともに鎌倉時代初頭の仏師運慶の作と推測されています。
光得寺像の台座(獅子四体を含む)、光背、厨子とその内部に付された三十七体の雲に乗る小さな仏の
群像も同時期のものです。
真如苑像も同様の荘厳(しょうごん)がされていたのでしょう。両像ともに小さな像ですが、正面だけで
なく、側面、背面のどの角度から見ても頭髪、姿勢、からだの肉付き、衣の襞(ひだ)の写実的な表現が
みごとです。日本美術史上最高の彫刻家の一人である運慶の力量が示されています。
運慶が率いた慶派(仏師の集団のひとつ。名前に「慶」のつく仏師が多いので慶派と呼ぶ)は、鎌倉
時代に写実的で迫力のある作風を創造し、造仏会をリードしました。
神奈川・曹源寺と当館の十二神将立像は後者の方が繊細、華麗ですが、力強さ、動きの表現に注目すると
相通ずるものです。曹源寺の子神(ししん)、当館の申神(しんしん)の滑稽味のある表現が、運慶の孫
康円の四天王南方天眷属(けんぞく)像に受け継がれているのも見逃せません。
陳列ケースは四方+中央の5つです。数字はリストの作品です。
15 14 13 12 11
10
(厨子) 09
(胎内模型) 02 08
01 07
(上の解説) 06
テーブル 05
03 04
→出入り口↓(本館13室へ)
◈◈作品リスト(公式サイトより)
重文02 四天王眷属立像 2躯 康円作 鎌倉時代・文永4年(1267) 東博・C-1834
04 阿弥陀如来坐像 1躯 鎌倉時代・12〜13世紀 静岡・願生寺蔵
重文03 大日如来坐像 1躯 平安〜鎌倉時代・12世紀 東京・真如苑蔵
05 十二神将立像 子神 1躯 鎌倉時代・12〜13世紀 神奈川・曹源寺蔵
06 十二神将立像 丑神 1躯 鎌倉時代・12〜13世紀 神奈川・曹源寺蔵
07 十二神将立像 寅神 1躯 鎌倉時代・12〜13世紀 神奈川・曹源寺蔵
08 十二神将立像 巳神 1躯 鎌倉時代・12〜13世紀 神奈川・曹源寺蔵
09 十二神将立像 午神 1躯 鎌倉時代・12〜13世紀 神奈川・曹源寺蔵
10 十二神将立像 未神 1躯 鎌倉時代・12〜13世紀 神奈川・曹源寺蔵
重文11 十二神将立像 辰神 1躯 伝浄瑠璃寺伝来 鎌倉時代・13世紀 東博・C-15
重文12 十二神将立像 巳神 1躯 伝浄瑠璃寺伝来 鎌倉時代・13世紀 東博・C-1852
重文13 十二神将立像 未神 1躯 伝浄瑠璃寺伝来 鎌倉時代・13世紀 東博・C-16
重文14 十二神将立像 申神 1躯 伝浄瑠璃寺伝来 鎌倉時代・13世紀 東博・C-1878
重文15 十二神将立像 戌神 1躯 伝浄瑠璃寺伝来 鎌倉時代・13世紀 東博・C-1853
重文01 大日如来坐像 1躯 平安〜鎌倉時代・12世紀 栃木・光得寺蔵
02 四天王眷属立像/東博(YouTube CG)
04 阿弥陀如来坐像/静岡・願生寺蔵
05右側から見た所
05 十二神将立像 子神/神奈川・曹源寺蔵
06 十二神将立像 丑神/神奈川・曹源寺蔵
07 十二神将立像 寅神/神奈川・曹源寺蔵
08 十二神将立像 巳神/神奈川・曹源寺蔵
09 十二神将立像 午神/神奈川・曹源寺蔵
10 十二神将立像 未神/神奈川・曹源寺蔵
11 十二神将立像 辰神/東博
12 十二神将立像 巳神/東博(YouTube CG)
13 十二神将立像 未神/東博
14 十二神将立像 申神/東博
15 十二神将立像 戌神/東博(YouTube CG)
◈◈02の康円は流石運慶の孫! しっかりと作風を受け継いでいます。
向かって左側、南方天の右足のつま先から足の指が(笑)
『十二神将立像』は70cm台ですが、とても細かく、個性豊かな表情、動き出しそうなポーズ、
重量感のある鎧、それぞれが違うデザイン。
どれも素晴らしかったですが、15の戌神が一番カッコイイと思いました。
グッズは仕方ないけど、せめて図録があれば……
やっぱり運慶(慶派)はいいですね。
空いていてゆっくり拝観出来て、こちらの方が良かったです(苦笑)
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